背中に付いたカマキリ(mǽntəsその2)

ある夏の日の朝、いつものようにラッシュアワーが終わった頃に僕は山手線の内回りに乗っていた。

 

代々木駅に着いた時に扉付近に立っていたら、降車客のOLぽい女性から耳を疑う言葉を投げかけられた。

 

「背中にカマキリ付いてますよ」

 

えーマジか、廻りの人が僕の背中をちらちら見ている。

 

隣の人に聞いてみた。

 

「ついてますか?」

 

シーン…

 

東京怖い!東京生まれだけど。カマキリ言われたのは幻聴?などと思いつつその日は終わった。その時期は買ったペットボトルのキャップを開けて職場の机に置いたはいいけど一日中飲めない程に忙しかったのだ。虫が止まっていようがいまいが関係ない。

 

それから暫くたった満月の日🌕、部屋のテラスに座って月見団子🍡を食べていた。新築の大きなテラスがあるUR物件に引っ越したばかりでだったので、テラスにウッドデッキをひいて素足でも出られるリビングみたいにしていたのだ。ただ、そんな風にそこでくつろいだのは最初の年だけだった。それはまぁいい。

 

その月見中のウッドデッキのススキ🎑を飾った花瓶後ろに突如としてカマキリが現れた。その後も2~3日ウッドデッキをうろうろしていた。かわいいやつだ。

 

また一年経ったある日、寝室のカーテンに虫が…

よく見るとカマキリ!

 

どこから入ってきたのかなぁー。

ここで閃(ひらめ)いた。カマキリは僕の背中に付いた守護霊なのではないか?

そんな事を思いつつもカマキリ様には丁重に扱って屋外に出て頂いた。

 

そしてまた一年後、また引っ越しをした。外にデッキチェアを置けるような広いテラスは必要ないので家賃を下げようと思ったのだ。床暖房だけは名残惜しかったけど…日当たりが良かったので決断した。

 

そしてその秋、ベランダにある枯れた植物を放置した植木鉢の中にまたカマキリ様が来ていた。3年連続カマキリ!凄い!!

 

次の年から来なくなった。

don't leave me alone. 独りにしないで〜😢

#ノンフィクション

 

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